Amazonでは不当評価を避けるため部下にもフィードバックを依頼します。

Amazon独自の職級“ジョブレベル”について

アマゾンのジョブレベル

 

日本の企業では、主任、係長、課長などの“職級”を設けるのが一般的です。
ほんとんどの場合、年齢を考慮して職級が上がり、それに従って給与も増える仕組みとなっています。

 

一方、Amazonの場合は、“ジョブレベル(レベル)”という、独自の職級を設けています。
ジョブレベルは、1~12までの段階があり、年齢や性別関係なく自身の能力が評価されることでレベルと給与が上がっていく仕組みです。

 

レベル1~3 契約社員/派遣/アルバイトなど
レベル4~5 正社員
レベル6 マネージャー
レベル7 シニアマネージャー
レベル8 ディレクター
レベル10 バイスプレジデント
レベル11 シニアバイスプレジデント
レベル12 Amazonの創設者ジェフ・ベゾス

 

もう少し詳しくレベルについて解説すると、新卒で入社した場合レベル4(ポジションによっては3の場合もある)がスタートです。
転職者は、業務経験によってレベル4・5・6のいずれかでスタートします。
レベル7以上になると部長クラスの管理職で、レベル9は存在せず、レベル12はAmazonの創設者であるジェフ・ベゾス専用です。

 

給与額の目安は、レベル4で400~600万円程度、レベル6~になると1,000万円を超えてきます。

 

 

厳格な評価制度

厳格な評価を下す上司

 

ジョブレベルを上げる評価制度のひとつとして、Amazonでは、“360度評価”というかなり厳格な方法を採用しています。

 

360度評価では、自身の上司だけでなく業務上で関わりのある他部署の担当者や同僚、さらに部下からも評価が下されます。

 

このように多方面から厳格に評価を行うことによって、上司になれる人材を網羅し公平性を保っているのです。

 

“リーダーシッププリンシプル”に基づいた評価基準

360度評価は、単純に評価対象者に対して個人的な意見を述べるのではなく、“リーダーシッププリンシプル(OLP)”に基づいて正当な評価を下します。

 

OLPとは、Amazon内で共通する14項目からなる理念のことです。
簡単に説明すると「Amazonでは全員がリーダーです。」という意味で、Amazon社員は常に自分がリーダーであることを意識した行動を心がけなければならないのです。

 

評価を行う際には、このOLPの14項目の理念をひとつずつ確認していきながら、評価対象者の実績などを細かく評価していきます。
そして、総合的に判断して昇給できるかどうかが決まる仕組みです。

 

シビアでも合理的な評価制度で公平性を保つ

公平な判断のイメージ

 

日本の一般的な企業では、上司たちだけで昇格の判断を行います。
そのため、下で働く従業員の間では「どうしてあの人が昇格したの…?」という不満がしばしば見られます。

 

しかし、Amazonの360度評価は一見かなりシビアですが、公平性を保てる点や、皆から認められた人材が上に立てる点を考えると理にかなった方法です。

 

また、リーダーシッププリンシプルという細かい評価基準があるからこそ、自身が日々どのような行動を心がけるべきか分かりやすくなります。

ページの先頭へ戻る