急速な成長を続けるアマゾン
アメリカに本社を置くAmazon.comは1993年の設立以来、急速なペースでの成長を続けて事業規模を拡大させ、従業員数がアメリカで2位、世界10位の規模にまで巨大化しました。
2021年6月末時点における世界の正社員数は133万5,000人で、アメリカでは10万人単位の従業員追加採用(期間従業員を含む)を頻繁に打ち出しています。
参考までに2020年9月末時点の正社員数は初めて100万人を突破した112万5,300人でした。
いかに社員を積極採用しているかが分かります。
積極的に採用を続ける背景
2020年以降に採用の積極性が高まった大きな要因が、コロナ禍による通販特需です。
外出自粛など生活様式が変化したことでネット通販を利用する人が増えた理由は、もはや説明不要でしょう。
このほか、翌日・当日配送の拡大に伴って物流施設の新規開設と拡張に積極的なことが関係しています。
既にAmazonは世界各地でトップクラスのシェアを獲得している通販業者ですが、そこで満足をせず更なるサービス品質の向上で確固たる地位を築こうとしています。
日本で見ても、当日お急ぎ便や翌日配達を強化する動きがあり、今後も全国の都市圏で配送拠点の新設や拡張をしていく見込みです。
AI技術などを活用した自動化に積極的なアマゾンですが、「人員を投じてのサービスも品質の向上・維持には必要」という企業概念を持っています。
また、世界各地で将来的な人材不足に悩まされるリスクを見込んで、確保できる内に積極採用をしている部分があります。
日本の場合はこれから人口減少が進み、全体における現役世代の比率低下が顕著に進む見通しです。
高齢化社会によって通販需要は今後も高まっていく見込で、人員を増やすことはアマゾンにとって重要な課題だと言えます。
オフィス職を積極採用
アマゾンの従業員は倉庫など物流拠点で働く作業員がもっとも多いですが、事務やエンジニアなどオフィス職の採用にも積極的です。
日本においてもAWS(アマゾンウェブサービス)や原則フルリモート勤務のカスタマーサポートの募集が増えています。
アマゾンはIT分野での成長が著しく、通販事業においてもサービス品質の向上に努めています。
「アマゾンの仕事=キツイ倉庫作業」というイメージを持っている方も、まずは募集している職種をチェックしてみるとよいでしょう。
倉庫の仕事は減っていく?
アメリカのアマゾンでは、一部の倉庫でコンベアに乗って流れてくる商品をデータで読み取り、自動で最適なサイズの箱に梱包する機械を導入する計画を打ち出しています。
梱包は倉庫の仕事で多くの人員を費やす作業で、これが自動化されれば人手が大幅に減る見込みです。
ただし、Amazon.comは機械化で削減した人件費などを新たな事業へ再投資し、アマゾンは新たな雇用を生み出し続けると説明しています。
今後は体力を使う倉庫の仕事が減少し、他分野の仕事が増えていくかもしれません。