eコマース市場を独占し続けるAmazonの歴史を辿る
「Amazonならありそう。」
一昔前までのAmazonは、本をたくさん売っている“オンライン書店”という存在でした。
しかし、今では買えないモノはないと言えるほど様々なモノが売られており、私たちの生活を支える存在として根付きつつあります。
Apple社に続く2社目の「1兆ドル企業」として躍進し続けるAmazonには、一体どのような歴史があるのでしょうか。
これまでにAmazonが提供してきた主なサービスを軸に、その歴史を振り返ってみましょう。
ジョン・ベゾスのAmazonの構想を思いつくまで
Amazonの創業者であるジョン・ベゾスは、ニューヨークの大手ヘッジファンド「D.E.Shaw」に勤務していました。
ベゾスは同社で着々とキャリアを積み上げ、たった4年で副社長の座まで上り詰めます。
その頃、とあるきっかけで目覚ましい成長率をみせていたインターネットビジネスについて調査していたところ、インターネットでモノを販売するAmazonの構想を思いつきました。
取り扱う商材は何にするか考えたときに、当時競合がいなかった本の流通に目をつけ、ベゾスは書籍のインターネット販売で起業することを決意し、D.E.Shawを退社しました。
シアトルの自宅ガレージにて事業スタート
1994年、ベゾスはAmazonの前身となる「catabra.com(カタブラ・ドット・コム)」を立ち上げ、シアトルの自宅ガレージにて事業を開始しました。
翌年の1995年、魔除けの呪文「アブラカタブラ」から取った「catabra.com」という社名でしたが、死体という意味の“cadaver”と聞き間違えられてしまったため“Amazon.com”に社名を変更し本格的に事業をスタートさせます。
設立から3年でナスダックへ上場
Amazonは、ローンチしてからわずか1ヶ月で知名度が拡大し、アメリカ全州、世界45カ国へ本を発送。2ヶ月後には、1周間の売上が2万ドルにまで達したといいます。
このように順調な滑り出しをみせたAmazonは、設立から3年後の1997年、米株式市場ナスダックへの上場を果たしました。
Amazon日本進出するがITバブル崩壊
2000年になり、Amazonは日本へ進出し、日本版のサイトを開設。
日本版サイトのリリース前からAmazonユーザーがいたこともあり、日本でも順調に売上を出していきます。
ちなみに、当時の日本での年間売上高は3400万ドルに達していたそうです。
そして翌2001年には、音楽やDVD、ゲーム、ホーム&キッチン、スポーツ&アウトドアなど商品を増やす取り組みを始めましたが、ここでITバブル崩壊が起こってしまいます。
大打撃を受けたAmazonですが、2003年に「Amazonマーケットプレイス」という小売業者がAmazonで出店できるシステムを導入したことから見事に返り咲き、またもや急成長していきます。
送料無料かつすぐ届く「Amazon Prime」がスタート
2005年、配送料が高くついてしまうという問題を解決すべく、会員サービス「Amazon Prime」を開始します。
Amazon Prime会員になると、送料無料になり、注文した翌日には配達が完了するという、顧客のニーズに応えた発想が大注目されました。
電子書籍が読める「kindle」がヒット
2007年、オンラインで本が読める「Kindle」デバイスが販売され、驚異的な人気で売り切れが続出します。
2009年には改良版の「Kindle DX」が発売され、同年には日本でも購入できるようになりました。
Prime Video・Prime Music等の提供開始
2015年に入ると、動画見放題サービス「Prime Video」、音楽配信サービス「Prime Music」、商品を1時間以内に配送する「Prime Now」など、プライム会員向けのサービスが充実していきます。
そして、2018年には米株式市場で、Apple社に続く2社目の時価総額1兆ドル超えを果たすのです。
これからのAmazon
私たちユーザーの「こういうサービスが欲しかった」を実現し続けるAmazon。
徹底したユーザーニーズの分析で、これからも私たちの生活に根付いていくような魅力的なサービスを提供し続けてくれることでしょう。
現に、宇宙事業の発表やドローンによる配送サービスの試運転も開始しています。
引き続きAmazonの動向から目が離せなくなりそうです。